●サスカチュワンでの国歌斉唱

朝食をとったカフェは、広場の前のビルの1階で、ガラス張りだったため、私たちは食事中もRCMPの人たちの様子を見ることができた。みなさん、ちょっと手持ち無沙汰のご様子だったが、あの制服で、公衆の面前であまりダラッとはできない(座ることも)のが、ちょっとお気の毒だった。

10時にその場所に戻ると、まだスタンバイ状態で、なかなか始まらない。
広場には1メートル位の高さのステージがあり、その上の向かって右半分にRAMPの人たちが整列し、左側には軍関係と思われるダークブルーの制服の人たちがいる。段の前には、政府関係のオフィスで働いているらしき人たちが私服で並び、手に手に小さなカナダ国旗を持っている。その前に演台が置かれ、市長さんなのか、長身の男性が立っている。
国歌斉唱の指揮はRCMPの人が取るらしく、ちょっと練習なんかしていたっけ。

CBCの音声だけは聞こえてくるのだが、あっちこっちの州に飛んでいて、なかなかサスカチュワンに来ない。地理的な順番になっているわけではないらしい。
その時、ハッと気づいた。そうか、サスカチュワンが最後なんだ。だって、こんなにたくさんRCMPまで動員して国歌を歌うのだから‥‥。

キャスターが、ノバ・スコシア州の人たちに「Good Afternoon」と言った時には、一瞬「えっ?」と思ったが、その通り、向こうはもう午後なんだよね。
逆にブリティッシュ・コロンビア州は、まだ朝の8時をちょっと過ぎた頃。やはりBC州はなつかしく感じる。
プリンス・エドワード・アイランド州が呼び出された時には、「早く行きた〜い!」と思ってしまった。‥‥が、まだまだ先は長い。

10時30分頃、やっとサスカチュワンの番がきた。中央に立っている男性のスピーチが終わり、さあ、国歌斉唱。
RCMPの人たちは、こういう場で歌い慣れているのか、はたまたこの数十人はRCMP内の合唱隊なのか、実に堂々とした歌いっぷりだった。
RCMPの若い男性が1人(この人は歌うグループには入っていない)、首からカメラをいーっぱいぶら下げて、何枚も写真を撮っている光景は、実に微笑ましかった。きっとみんなに頼まれたんだろうな。彼らにとっても、滅多にない機会なのだろう。

歌い終わって、みんな一斉に拍手。あんなに待っていた割に、生中継はあっという間に終わってしまい、RCMPの人たちもバスでさーっと引き上げてしまった。

さっきからシュテファンがくすくす思い出し笑いをしている。聞いてみると、先ほどの国歌は、1フレーズがフランス語になるバージョンなのだが(ご存知のようにカナダは英・仏語が公用語なので、こういうバージョンがある)、中央に立っていた男性はそれを知らなかったらしい。途中まで誰よりも大きな声で歌っていたのに(またいい声でよく通ったらしい)、フランス語になったとたんに急に声が小さくなり、最後に英語に戻った時、またまた大声で歌っていたんだって。フランス語に変わった時の、彼の狼狽ぶりがおかしかったらしい。

私も想像して、くすっと笑ってしまったけど、実はこの人を笑えない。私もフランス語の部分の歌詞を知らないんだもの。今度、ちゃんと覚えておこうっと。


本ページの記事、写真、イラストなどの無断転載を固く禁じます。
全ての著作権は『ビューティフル・カナダ』の作者M.Okamuraに帰属します。