●レンタカーに手間取る

インフォメーションで「Private Home Accommodationガイド」というパンフレットをもらい、まずは今日の宿を確保することから始めた。
3年前に『エイビーロード自由旅行』の仕事で西部カナダ4都市のB&B(ベッド&ブレックファースト)を取材したのだが、その時、ジャスパーでは8軒のHome Accommodationを訪れている。その中で、今回泊まりたい所はだいたい目星をつけてあった。さっそくリストから探し出して電話をかける。1軒目は満室とのことだったが、2軒目はOK。宿が決まって、ちょっと安心した。

次はレンタカーだ。
ところが思いのほか、てこずってしまった。

まず駅に戻って、構内にあるレンタカー会社のカウンターに行く。ナショナルとハーツだ。先にハーツに行って、こちらの条件を告げ、料金を聞く。次にナショナルに行って同様に金額を尋ねた。

ここで一つ問題があった。シュテファンの免許の種類だ。
カナダでは州ごとに免許のシステムが違う。シュテファンが取得したBC州のシステムでは、日本の若葉マークのような初心者マークが2種類ある。「L」と「N」だ。

「L」は「Learner」のことで、運転に際して(1)19歳以上の免許保持者が同乗、(2)同乗は2人まで、(3)午前0時から5時までの運転禁止、(4)飲酒禁止、が義務付けられている。
次の段階の「N」は「Novice」のことで、上記のうち飲酒禁止だけが義務付けられている。

変・・・だと思うよね? 日本では、初心者だろうがベテランだろうが、飲酒運転は禁止なのだから。
しかしBC州の場合、「N」が取れたら(取れるまで1年半かかる)、血液中のアルコール濃度が0.8%未満なら飲酒OKなのだ。どのくらいの量かというと、個人差もあるが、だいたいビールをグラス2杯程度だという。
以前、知人の車に乗っていた時、取り締まりに引っかかったが、「ビール2杯だけ飲みました」でお咎め無しだった。それどころか「気をつけて帰ってください」だって。警察官にもよるらしいが、日本では考えられない光景である。

レンタカーする際、このレベルによっては借りられないことがあるので、まずそれを確認しなければならなかった。
シュテファンは「N」だ。ハーツはOKだったが、料金はナショナルのほうが安い。だが、ナショナルのスタッフは、オフィスに問い合わせないと分からないという。すぐに電話をしてくれたが、運悪く昼食時だったために担当者は不在だった。
仕方なく、私たちも先に昼食を取ることにした。

再び駅に戻って尋ねると、残念ながら答えはNO。
もう選択肢はハーツしかないので、そちらのカウンターに行くと、なんと「◯時に戻ります」というサインが出ていて誰もいない。無駄に時間を過ごすこと30分。やっとスタッフが戻ってきた。
手続きをしながら、ウィニペグまで行ってドロップ・オフすることを告げると“Brave!”と言われてしまった。誰もレンタカーでウィニペグまで行こうなんて思わないらしい。
でも、その後、駅前でノバスコシア・ナンバーの車を見たもんねー。やっぱり車で横断したい人だっているのだ。

手続きがすべて完了して、車のキーをもらった時は、もう3時近くになっていた。早く済んだら、今日のうちにマリーン・レイクに行ってしまおうと思っていたのだが、今から行っても、もう遊覧船の最終は終わってしまっている。予定を変更して、今日はウィスラー・マウンテンに上り、その後パトリシア・レイクとピラミッド・レイクに行くことにした。何度か来ている所だと、こういう時にすぐ代案が浮かぶからありがたい。これが初めての場所だと、こうはいかない。

車は駅前に停めてあった。なかなかカッコいい。これが9日間、私たちのアシになるのだ。運転席でむちゃくちゃ嬉しそうなシュテファン。
まず荷物を置きにHome Accommodationに向かった。
カナディアン・ロッキーのドライブツアーの始まりだった。


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