●アサバスカ・フォールズ

ジャスパーを出て30分ほどでアサバスカ・フォールズに着いた。

そのちょうど中間あたりに、マウント・エディス・キャベルという山があり、そこに、天使が羽根を広げたような形のエンジェル氷河という美しい氷河がある。本当はここにも寄りたかったのだが、今回は時間がないのでパス。ハイウェイから少し山の方に入り、さらにしばらく歩かないと、この氷河は見られないのだ。

私は過去2回そばまで行ったことがあるが、1度目に行った時と9年後2度目に訪れた時では、氷河の形がかなり変わっていたので、大変驚いた。ちょうど天使の衣服の裾にあたる部分が、かなり短くなっていたのである。これは地球の温暖化にともなって、氷河が溶けて後退しているからなのだそうだ。数年後には、もうエンジェルではなくなっているかもしれない。
ちなみに、コロンビア大氷原にも、まったく同じことが起こっている。

さて、アサバスカ・フォールズは、駐車場からもうトレイルができており、数分歩くと滝の姿が見えてきた。雪解け水が増え始める今ごろは、いつにも増して水量が多く、ものすごい迫力。ちょうど滝壺の上に、トレイルから続く橋がかかり、上流はすごい勢いで落ちてくる滝の正面が、真下は渦巻く滝壺で、下流はかなりの速度で流れてゆく川の様子が見られる。

橋を渡って左手に上ると、今度は、ちょうど滝が落ちる場所を真横から見られるポイントに出る。私はこのアングルから滝を眺めるのが、なぜか好きだ。後から後から落ちていく大量の水。すごい勢いなんだけど、スローモーションのようにも見える水の動き。いつまで見ていても飽きないくらいだ。

ふと目を上げると、対岸の岩の上に、男性が2人立っている。
ところが、これは禁止事項。ここでは、手すりが付いているトレイルから、決して出てはいけないのである。滝で浸食された岩が、いつ崩れ落ちるか分からないからだ。そういえば、滝壺の形も、前と少し変わっていたような気がする。
観光客風の2人は、岩の先端ぎりぎりのところまで行って、写真を撮っている。どこの国にもばかな大人っているのね。よい子のみなさんは、決して真似をしないように!

滝だけでなく、あらゆる水のシステムが異常に好きなシュテファンは、さっきから大喜びでビデオを撮っている。ジャスパーで見てきた湖と違って、このように動きがある水もまたいいものだ。“動”の自然を目のあたりにしているような気がする。
・・・予想外に長居をしてしまった。

もう一つ、近くにサンワプタ・フォールズがあるが、時間もないし、周辺を工事していたのでパスした。

私たちはロッキーの大自然の、まだほんの入口にいるのだった。


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