●スノーコーチ・ツアー(1)

いよいよスノーコーチ・ツアーへ出発。
アイスフィールド・センターの横から、まずシャトルバスに乗り込む。このバスは、ハイウェイを横断して、氷河近くの中継駅(センターからは見えない)まで行く。そこでスノーコーチに乗り換えるのだ。

バスのドライバーは、UBCをこの春卒業したばかりの人だった。シュテファンの同窓生にあたるわけだ。この仕事は夏の間だけで、秋からの仕事は決まっていないんだって。スノーコーチ・ツアーは10月中旬まで、アイスフィールド・センターもクローズしてしまうからだ。冬の間、センターには誰もいなくなるので、ヒーターも切ってしまう。すると、建物が1mくらい縮むのだそうだ。あの大きなセンターが1mも縮むとは、驚いた。

中継駅に着き、スノーコーチに乗り換える。
今回のドライバーも女性だった。実は両親と来た時も女性ドライバーで、父がしきりに感心…というか驚いていたのを思い出す。私はバンクーバーで女性のバス・ドライバーをよく見ているので、別段なんとも思わなかったのだが、父の年代にしてみたら、私の身長と同じくらいの直径のタイヤが6個付いたスノーコーチを、女性が運転するというのは、驚き以外の何物でもなかったろう。「すごいなあ。女の人が運転するのかぁ」と何度も言っていた。そして、氷河の上での自由時間の時、私を横に並ばせて写真を撮ったりしていた。本当は自分が一緒に撮りたかったのかもね。だからそう言ったのに、遠慮しちゃって…。

さて、スノーコーチは、最初に高く積もった土砂の横を通る。この土砂は、ラテラルモレーンといって、氷河が運んできたものであり、氷河の側面に残されている(対して、氷河の末端に残される土砂はターミナルモレーンという)。鋭く尖った峰が長く続くのがラテラルモレーンの特徴で、スノーコーチのルートはその麓に延びている。そばを通ると、今にも崩れてくるんじゃないかと思うほどの、モロそうな土砂の急斜面である。

先ほどから、ドライバーはひっきりなしにしゃべっている。このモレーンや氷河についての説明をしているわけだが、そこはやはりカナダ人、いろいろなジョークをとばしながら、おもしろおかしく話を進めて行く。
ツアーガイドをやっていた友人に聞いたのだが、このジョークには、いくつかの決まりネタがあるそうだ。そういえば、何度か同じのを聞いたなあ。私、ここは7回目なのだ。

私のお気に入りのジョークは“シートベルト”。このスノーコーチは、いよいよ氷河に近づくという時、一箇所、ものすごい急傾斜を下らなければならない。ジェットコースター並みの、それこそスノーコーチがごろんごろん転げ落ちて行くのではないかと思われるほどの傾斜なのだが、そこにさしかかる時、ドライバーがアナウンス…
「みなさん、今から急な坂を降りますので、シートベルトを着用してください」
いっせいに座席の周りを探し始める乗客たち。

ぶっぶー、じょーだんでしたー。スノーコーチの椅子に、シートベルトなど付いていませーん。

爆笑する乗客とともに、スノーコーチは、ゆっくりソロソロと急傾斜を降りて行く。

その他のジョークは・・・
いやいや、これだけにしておきましょう。あんまりネタをバラしてはいけない。あとは、みなさんのツアーの時に、楽しんでくださいね。


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