Canucks Fan: Game Results

4月18日
<プレーオフ観戦記>
みんな、よく頑張った!!

出かける前に、既にニュースでNo.35ボブ・エッセンサが出られないことを聞いていた。16日のゲームで膝をケガしていたのだ。2ピリでだったらしいが、彼は最後まで守り通したので、我々はケガのことを知らなかった。
ここでボビーの欠場は痛いが、こうなってみると、初戦でNo.39ダン・クローチェを出しておいたのは正解だった。

GMプレイス前は、一昨日と同じように、変な扮装のファンでいっぱいだ。高校生くらいの男の子のグループが、車道に向かって、カナックスのジャージをアピールしている。すると、クラクションを鳴らして、ドライバーが応えてくれる。奇妙な連帯感が生まれる一瞬だ。プレーオフの魔物の一つは、この連帯感だろうな。レギュラーシーズンより数段強くなるもの。

ゲーム前の国歌斉唱だが、またアメリカ国歌の時にブーイングが始まってしまった。実は16日もブーイングが起こり、新聞上で論議がかもし出されていたのだ。バーナビー出身のジョー・サキックは、難色を示していた。彼はアメリカのチームでプレーしているカナダ人。国歌に対してそういうことはするべきではないし、カナックスにもアメリカ人のプレーヤーがいるはずだ、と。

BC州民から尊敬されているサキックがこう言っているのだから、今日は起こらないかな、起こらないでいてほしいなと思っていたが甘かった。新聞を読んでいない人もいるのだ。多少心あるファンは、さすがにブーイングは忍びないと思ったらしく先日のように「ボービー、ボービー」コールか「GO CANUCKS GO!!」に変えようとしていたのだが、会場は全部が入り交じって、騒然となってしまった。

ところでこの国歌斉唱、いつもと違って、正装したRCMP(カナダ王立騎馬警官)が、両国の国旗を持って入場してくる。だから、いつもとは違う方向(国旗がある方向)を向いての斉唱だった。いつものシンガーのおじさん、カナダ国歌になる時、上着を脱いだらカナックスのジャージ姿だった。歌い終わったら、今度は片手でタオルをぐるぐる。ファンも一緒にやり始める。そういえば彼は、ファイナルまで行った93-94シーズンも、こうして歌っていたのだ。久しぶりのプレーオフは、彼にとっても感慨深いだろうな。リタイアしてもおかしくなさそうな年齢だもの。

さて、今日のラインは一昨日とほぼ同じだが、No.72ピーター・シェーファーが復帰している。結果、No.34ジェイソン・ストラドウィックがヘルシー・スクラッチになってしまった。

フォワード:
 ドルーケン/モリソン/クラット
 D.セディン/H.セディン/バートゥッジ
 ブラッシャー/ピーダーソン/クーク
 シェーファー/ルッツ/カバナフ

ディフェンス:
 オーランド/ソペル
 ジョバノフスキー/バロン
 アレン/ベレハウスキー

ゴーリー:
 クローチェ
 ミショード(バックアップ)

第1ピリオド、カナックスは実によく戦っていた。あのコロラドを相手に、けっこう互角だった。力はもちろん対等じゃないんだが、がむしゃらさで相手を圧倒しているようなパワーがあった。「火事場の馬鹿力」というか「窮鼠、猫をかむ」というか・・・そんな感じだ。

驚いたのは、クローチェの働きだった。サキックやフォスバーグのシュートを、バシバシ止めている。まるでボビーが乗り移ったかのような…。
第2ピリオドで1点入れられたものの、セーブ数は1・2ピリオドで24セーブ。この間、カナックスはわずか11ショット・オン・ゴールしか放っていない。この分なら、1点差は追い付けそうだという気がした。3ピリでのクローチェ以外のメンバーの働きにかかっていると思った。

ところが3ピリで、予想し得なかったことが起こった。
始まって5分もしないうちに、センターの中でも最もフェイスオフ数が多く、攻撃の核となっていたNo.7ブレンダン・モリソンが、なんとケガで退場。彼は、No.5ブライアン・アレンが激しくチェックしたコロラドの選手が倒れる時、運悪くそこに滑ってきて巻き込まれ、足首を捻挫してしまったのだ。痛そうに氷の上につっぷして、シャクトリ虫状態で這っていくモリソン。悪夢を見ているようだった。痛みにのたうちまわっていたナズランド、倒れて動かなくなってしまったキャッセルズの姿が、次々に浮かんだ。

チームメイトの肩を借りてドレッシング・ルームに行くモリソンを見ていて、涙が出てきた。彼のケガも心配だし、カナックスも…。ここでモリソンが抜けたら、もう駄目だろう。今までだって、ぎりぎりのところで戦ってきたのだ。もう同点にすることは、不可能だろうと思った。

その通りだった。
彼の欠場が、大きなターニング・ポイントだった。

モリソンのケガの5分後、まずフォスバーグにゴールされる。その17秒後サキックに、さらに21秒後エリック・メシエにゴールされてしまうのだ。なんと38秒の間に3点取られてしまったのである。
この時点で9分49秒。まだ半分残っているが、タイにするのは絶望的だった。

この時、会場からコーラのカップなどがリンクに投げ入れられる。前回もそうだった。ひどいマナーである。こういうのはゲームを遅らせるだけで何の意味もない。
しかも、帰り始める客が何人もいる。いくら勝ち目がないからって、ちょっと出るの早すぎるんじゃないの!?

あとは、見ているのがつらかった。なのに時間はまだ10分もある。とにかくシャットアウト負けだけは避けたいと思ったら、選手たちも同じ思いだったのだろう。13分半でNo.26トレント・クラットが執念のゴール! アシストはNo.2マティアス・オーランドとNo.33ヘンリク・セディン。ファンは立ち上がって大歓声! そしてタオルをぐるぐる。

ヘッドコーチのマーク・クロフォードは、終盤、早くから6人攻撃に切り替えた。しかし、残り2分半でエンプティ・ネットにゴールされてしまう。
またゾロゾロ帰り出す観客たち。あっと言う間に、半分ほどになってしまった。しかも、クラブシートなど料金が高いセクションほど、空席が目立つ。

少し彼らを弁護させていただくなら、かなり遠方から来ている人もいて、これから車で2時間かかるというような人もいるのだ。
カナックスのファンはBC州中にいる。以前、取材でビーバー街道に行った時、田舎の町のホテルにあるスポーツバーで、週末は地元の人たちがカナックスを応援しに来るというのを聞いた時、「そうか、ここの人たちにとっても、カナックスはホームチームなんだ」と思ったことがある。ビクトリアのパブでも、カナックスのゲーム中継に大歓声だった。バンクーバー市民にとってだけでなく、BC州の住民にとって、カナックスはホームチームなのだ。

だから今日だって、かなり遠くから観戦に来ている人もいるはず。しかも、ゲーム開始がいつもより30分遅い。ゲーム終了後、人がいっぺんに出てくると、駐車場を出るのにすごく時間がかかるので、それを避けたい人もいるのだ。それに子供連れだから、なるべく早く帰りたいという人もいるし…。

それでも私だったら、今日は最後までいるな。だってプレーオフだし、本当に今シーズン最後なんだもん。

残ったファンは本当に偉かった。
みんな、このエンプティ・ネット・ゴールの後は、立ち上がって、カナックスに大歓声を贈った。人数は半分になったのに、歓声の大きさは変わらなかった。そしてタオルぐるぐる。持っていない人は大拍手。これが最後の最後、ゲームが終了するまで続いた。わたしゃ泣けたよ。ブーイングや物投げなど失礼なことをしても、最後、カナックスのメンバーに対してだけは、みーんな礼儀正しいねぎらいの拍手を贈ってた。

ゲーム終了後、両チームはまずそれぞれのゴーリーの所へ行った。カナックスのゴールに近い席だったNさんの話によると、クローチェは可愛そうなくらいうなだれていたのだそうだ。
しょうがないよ、君のせいじゃない。

その後、リンクの中央で、両チームが1列になり、一人一人握手。このシーン、大好きだ。今、戦い終わった男達の、彼らにしか分からない感情での、お互いを称え合う言葉が交わされている。
これをナマで見られたことで良しとしよう(ゲーム6でもよかったけど)。

ああ、これでカナックスのシーズンは終わった。みんな、本当によく戦ったよ。このプレーオフの興奮を、ファンに与えてくれただけでも感謝したい。そして、来シーズンへの大きな希望も残してくれた。
選手たちにとっても、プレーオフのこの4ゲームを一緒に戦ったという絆は、かなり強力なものになるだろう。来シーズンが楽しみだ。

みなさんも、今シーズン中およびプレーオフの応援、ありがとうございました!! ページはもう少しニュースをお伝えしてから、シーズンオフに入ろうと思います。もうしばらく、余韻を楽しみましょう。

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